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なぜOHRAを設立したのか — 不法就労の現場で行政書士として何ができるか


なぜOHRAを設立したのか — 不法就労の現場で行政書士として何ができるか

行政書士として外国人材の在留資格申請に関わる中で、繰り返し直面してきた現実があります。**「制度は整っているのに、現場で適正な運用が回っていない」**という構造的な歪みです。

本稿では、私(OHRA代表理事・梅田孝幸)が、なぜ一般社団法人外国人材就労共生パートナー協会(OHRA)を立ち上げたのか、その動機と想いを率直に綴ります。

この記事の要点

  • 不法就労・ブローカー問題は、悪意ではなく「構造」が生む
  • 行政書士の力で構造を変えられる領域が、確かにある
  • OHRAは「個人の事業」ではなく「業界の仕組み」として設計
  • 自分が楽になるためではなく、パートナー先生が各地で活躍できる仕組みを目指す

行政書士として現場で見てきたもの

外国人材の在留資格申請を10年以上続けてきた中で、印象に残っている言葉があります。

「日本はこういう問題を抱えてて、不法就労がはびこっている状態。自分たち行政書士が適正にサポートしていくこの仕組みを作ることで、企業も外国人も安心して、このOHRAの中で安心してやっていける」

不法就労や失踪は、本人の意思の問題ではなく、多くの場合「構造」が生んだ結果です。中間業者の搾取で借金を背負って来日し、その返済のために違法な働き方に走らざるを得なくなる。受入企業も「人材難で背に腹は代えられない」と、不透明な仲介を黙認してしまう。

このサイクルを変えられるのは、法令の専門家として「正規ルート」を構築できる行政書士だけだと、現場で確信してきました。

なぜ「個人の事務所」ではなく「一般社団法人」なのか

OHRAは、私(梅田孝幸)の個人事務所ではありません。一般社団法人として、複数の士業パートナー・現地教育機関・登録支援機関がフラットに連携する組織として設計しています。

理由は明確です。1人の行政書士がどれだけ頑張っても、業界構造は変わらないからです。

  • 1事務所では年間数十件の申請しか扱えない
  • 1人の知見では全国の地域差・業種差をカバーできない
  • 1人の発信では業界全体の認知や常識を変えられない

これに対して、**「同じビジョンを持つ士業ネットワーク」**として運営すれば、各地域の行政書士が連携し、現地教育機関とOHRAが直接信頼関係を築き、業界全体の正規化を後押しできます。

インドネシアに5-6年前から注目した理由

OHRAの主軸事業の一つは、インドネシア人材の専門紹介です。これを始めたのは、業界が「インドネシアって誰?」と言っていた約5-6年前のことです。

「自分が始めた5、6年前、インドネシアと言い出した頃はまだ見向きもされなかった。今やっと『インドネシア来る』とみんな言い出した」

理由はいくつかあります:

  • 人口2億8千万人と若年層が厚く、海外就労ニーズが構造的にある
  • 親日的な国民性と、勤勉で穏やかな人柄
  • イスラム教徒の労働観は、日本のビジネス文化と相性が良い
  • 現地教育機関との直接連携が可能(ブローカー排除型の受入)

この5-6年で、現地の大学・高校・職業訓練校・財団法人OPAとの信頼関係を築いてきました。今ではOHRAの活動の核心になっています。

参考: インドネシア人材紹介 / インドネシア現地視察レポート(スマラン)

OHRAが目指すのは「自分が楽になる仕組み」ではなく「パートナーが各地で活躍できる仕組み」

OHRAの運営思想として、私自身が一番大切にしているのは次のことです:

「自分が楽になるのではなく、パートナー先生たちが各地で活躍できる仕組みづくり」

これは「個人の事業成功」を否定しているわけではなく、**「OHRAの仕組み自体が、私がいなくても自走するように設計する」**という意味です。

具体的には:

  • OHRAパートナー行政書士が各都道府県で受任体制を持つ
  • 現地教育機関と OHRA の関係が、運営者依存ではなく組織対組織の信頼で続く
  • 登録支援機関のネットワークが、OHRA経由でも経由しなくても、適正な受入を担える
  • **認証制度・資格制度(準備中)**が、業界全体の品質ベンチマークになる

私は、OHRAという「仕組みの建築家」でありたいのです。

NPO留学事業から学んだ、利他のビジネスモデル

10年ほど前、ブログ運営で留学業界に関わっていた時期に、忘れられない出会いがありました。

「本当に色々回って、一番良かった会社が、NPOで留学やってて、で、留学に送って、そこの利益と企業さんからの寄付で、社会的養護施設の子たちを留学にただで送るっていう活動をされている」

このNPOから学んだのは、**「事業の利益と社会貢献を一体で設計する」**という発想です。儲かることと、社会に良いことが、同じ一本線上にある。これが OHRA の事業モデルの原型になりました。

OHRAでは:

  • マッチング事業は適正な手数料で運営し、その一部を士業パートナー連携に再投資
  • 認証制度は単なる収益事業ではなく、業界全体の品質向上を目的に設計
  • 現地教育機関連携は OHRA がコストを負担してでも、ブローカー構造を排除する

短期的には非効率に見えるかもしれません。しかし長期的には、これが最も持続可能な事業モデルだと信じています。

共に歩むパートナーを募集しています

OHRAは、このビジョンを共有する士業パートナー・受入企業・現地教育機関を募集しています。

「適正性」「相互的価値」「長期的な社会貢献」という3つの軸で、共に歩んでいただける方を心からお待ちしています。


著者: 梅田 孝幸(OHRA代表理事・行政書士/登録番号13401580号)